恋その7

遅ればせながら新年おめでとうございます、コーラです。

昨年暮れの前回の記事で、高校生活の恋話を終え、

今回の続きはそれから15年以上経った時とお話ししました。

今回はその時のお話しです、まず私の背景から述べたいと思います。

 

サラリーマン生活

高校を終え、15年以上経った頃に私はサラリーマンになっていました。

また、同様に25歳の時に引っ越しをし、現在の住居に住んでいました。

 

当時、サラリーマンをしていた頃の勤務先最寄り駅は、

横浜市内のJR乗換駅でした。

 

サラリーマンをしていると残業続きでさぞかし忙しいだろうと

想像される方も多いと思われますが、当時の私の場合

それは当てはまらずグータラ社員をしていて、

ほぼ毎日定時に退社し勤務先の最寄り駅から

ほぼ決まった時刻に決まったダイヤの列車の後ろから2両目に乗車し、

自宅途中の新横浜駅まで電車を利用していました。

 

当時の時代背景としては、「電車男」が全国波で放映された頃で

これから述べることと少し関連があるかもしれません。

 

見覚えのあるシルエット

さて本題に入らせて頂きます。

今日も会社でたっぷり絞られたなぁと少し疲れも見せながら、

いつも通りの時刻にいつも通りの会社最寄り駅ホームで電車の到着を待っていました。

 

すると、駅の自宅に帰る方の進行方向とはまるで逆、

つまりホームの最後方から何やら見覚えのあるシルエット。

 

だんだんその女性が人混みの中からこちら側に近づいてくるに従って、

私は顔を認識して思わず当時と同じように胸が「どきん」として

凝固してしまいました。

 

再会と奇妙なこと

そう、15年以上振りの彼女との思わぬ場所での再会でした。

それはやはり彼女だったらしく、

彼女の方も「どきん」と胸が鳴っているのを私は見かけで認識しました。

 

ただ奇妙なことが一つあり、

彼女は私が普段利用している連絡通路階段の方から、

私の進行方向沿いからホームに下りたわけではなく、

どうやら前々からホームに降りていて、

何もないホームの最後方から現れたようなのです。

 

これは多分彼女が前もって

私が決まりきった時刻に決まりきった電車の車両を毎日利用していたことを

事前に知っていて待ち伏せしていたのではないかと想像しています。

 

電車乗車

そして電車が到着してドアが開き、

今度はさらに驚いたことに彼女の方から先に

私が普段利用している乗車口に乗り込みました。

 

私も後から乗り込み、

彼女は次に私が降車口として普段利用しているドアの前に立ちました。

 

私は座席が並んでいるところの真ん中付近に立ちました。

二人の距離は4~5メートルといったところでしょうか、

私は彼女の斜め後姿を見るような状況で二人共終始黙って乗車していました。

 

心の中

乗車中私は勇気を振り絞って声をかけようかと何べんも迷いましたが、

何から話を切り出したら良いのか分からずとにかくあがってしまい

何もすることができませんでした。

 

とにかく、新横浜駅のホームに着いたら下車する時に

何かしらのアクションを取ることを心の中で決めていました。

 

電車到着

ところが、新横浜駅に電車が着いて、行動を起こそうとすると彼女はもういない。

私も降車して必死に彼女の影を探すが、もうそれらしき人影は見当たらない。

新横浜駅のただでさえ多い人混みの中に彼女はあっという間に消えてしまいました。

 

あれは、一体彼女は何を言いたかったのでしょうか。

それとも偶然ばったり会ったに過ぎないのか、

はたまた私の見間違いだったのか?

 

「恋」シリーズは、これにて一応終わりとなります。

7回にも及ぶ長編となり、長々しくなってしまい恐縮でした。

 

次回からは

次回は「没ネタ」について取り上げる予定です。

これまで原稿を用意したのにアップできなかった作品を

断念した理由も含めて紹介するつもりです。

 

お楽しみに。

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